縁語とは

分類
文体・技法
読み
えんご

一首のなかに、意味の上で関わりの深い語をいくつも散らして響き合わせる、和歌の修辞技法。たとえば「糸」に対して「よる(撚る)」「はる(張る)」「みだる(乱る)」「ほころぶ」といった、その語から自然に連想される言葉を配し、表向きの意味とは別の連想の層を一首に織りこむ。多くは掛詞と組み合わせて用いられ、掛詞によって二重になった言葉のもう一方の意味を、縁語がそっと支える形をとる。「涙」に「露」「袖」「濡る」、「弓」に「張る」「射る」「返る」というように、縁語となる語の組はある程度定まっており、歌人たちは共有の教養としてこれを用いた。『古今和歌集』の時代に技巧として確立し、王朝和歌の華やかな言葉づかいを代表する。読む者は、表向きの叙述を追いながら、その裏で結ばれた語と語のつながりに気づき、一首を二度味わうことになる。三十一音という限られた器にいかに豊かな世界を織りこむかという王朝歌人の工夫が、掛詞・序詞とともにここに凝縮されている。

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