おくのほそ道とは

分類
形式・ジャンル
読み
おくのほそみち

松尾芭蕉の紀行文。元禄2年(1689年)春、門人の河合曽良を伴って江戸深川の庵を発ち、東北・北陸をめぐって美濃の大垣に至る、およそ150日、行程600里(約2400キロ)の旅の記録である。「月日は百代の過客にして」で始まる冒頭に、旅を人生と重ね合わせる芭蕉の無常観が表れている。簡潔な俳文と発句を組み合わせた構成で、平泉の「夏草や兵どもが夢の跡」、立石寺の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」、「五月雨をあつめて早し最上川」、「荒海や佐渡によこたふ天河」などの名句が配されている。古人の歌に詠まれた歌枕を訪ね、昔の人の心に触れようとする旅でもあった。旅の途中の実際の出来事に、推敲や虚構も加えて作品としてまとめられており、刊行は芭蕉の没後の元禄15年(1702年)である。写本には素龍の清書本などがあり、本文の成立をめぐる研究が続いている。

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