不易流行とは
- 分類
- その他
- 読み
- ふえきりゅうこう
松尾芭蕉が唱えたとされる俳諧の理念で、いつの世にも変わらぬもの(不易)と、その時々に応じて移り変わるもの(流行)とを、一つの根から出たものとして捉える考え方。『去来抄』によれば、芭蕉は『おくのほそ道』の旅を終えた元禄2年(1689年)の冬に初めてこの教えを説いたといい、向井去来が『去来抄』に、服部土芳が『三冊子』に書きとめて後世に伝えた(芭蕉自身がこの四字を書き残したわけではない)。『三冊子』は「師の風雅に万代不易あり、一時の変化あり。この二つに究まり、その本一つなり」と記し、その一つとは「風雅の誠」であるとする。新しさを求めて変わり続けることと、変わらぬ詩の本質に徹することとは矛盾せず、真に流行を極めればおのずと不易に至る、という逆説がこの理念の核にある。蕉風の理念としては、閑寂のうちに澄んだ趣を見る「さび」、日常をありのままに軽やかにとらえる「軽み」と並べて語られる。俳諧の枠を超えて、伝統と革新の関係を語る言葉として今日も広く用いられている。