オノマトペとは
- 分類
- 文体・技法
- 読み
- おのまとぺ
物音や動物の声を表す擬音語(擬声語)と、物事の様子や状態を表す擬態語をまとめた呼び名。フランス語に由来する語で、もとは擬音語を指した。「ざあざあ」「わんわん」「きらきら」「のろのろ」など、日本語には非常に多くあり、英語などと比べても豊富だといわれる。とくに擬態語の多さは日本語の特徴で、「しとしと」「しんしん」のように、音のしないものの様子までを音のような言葉で表す。古典にも、『枕草子』や『今昔物語集』などに擬音語・擬態語が見られ、江戸の滑稽本や落語でも生き生きと使われた。宮沢賢治は『風の又三郎』で「どっどど どどうど どどうど どどう」と風の音を、『銀河鉄道の夜』では、星や汽車の音を独自の擬音で表し、語感を生かして独自の世界を作った。詩では、萩原朔太郎が『月に吠える』の「猫」で、夜の屋根の猫の鳴き声を「おわあ、こんばんは」と書きとめ、中原中也は『山羊の歌』の「サーカス」で、空中ブランコの揺れを「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」と表して、ありふれた言葉では写せない感覚を伝えた。オノマトペは、情景や感情を直感的に伝え、文章に生き生きとしたリズムを与える。詩や童話でも好んで使われる。一方、小説の地の文では幼く見えるとして控えられることもあり、どこでどう使うかに作家の個性が表れる。漫画の描き文字としても発達し、現代の日本語表現に欠かせない要素となっている。