擬人法とは

分類
文体・技法
読み
ぎじんほう

動物・植物・無生物・抽象的な概念など、人間以外のものに人の行為や感情、言葉を与えて表現する技法。たとえば、解説用の例として「古い机が来客を歓迎した」と書けば、家具に人間の意志をもたせた擬人化になる。短い語句の中で対象を生き生きと感じさせる場合もあれば、動物が話し、考え、行動するという作品全体の仕組みになる場合もある。夏目漱石の『吾輩は猫である』では、猫が人間社会を観察し、考えを語る。人間ではない語り手に言葉を与えることで、人間の生活や価値観を別の位置から眺める構成となっている。寓話や童話でもよく用いられるが、その目的は親しみやすさや楽しさだけではなく、人間への風刺、不気味さ、孤独などの表現にも及ぶ。人間以外のものを描いているだけでは擬人法にはならず、その対象に本来ない人間的な性質がどのように与えられているかが判断の要点である。また、生命のないものを生き物のように扱う活喩とは重なる部分があるものの、命を与えることと人間として扱うことは同じではない。作品を読む際には、誰の目に人間らしく見えているのかにも注意すると、描写と語りの関係をつかみやすい。

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