切れ字とは
- 分類
- 文体・技法
- 読み
- きれじ
俳諧・俳句で、句の途中や末尾に置いて、言葉を言い切り、余韻や感動を生む働きをする語。代表的なものは「や」「かな」「けり」で、連歌以来の作法書では、かな・もがな・し・じ・や・らん・か・けり・よ・ぞ・つ・せ・ず・れ・ぬ・へ・け・いかにの「十八の切れ字」が挙げられる。発句は一句で完結した形をとることが求められたため、切れ字はその言い切りを示す目印とされた。「古池や蛙飛びこむ水の音」の「や」は、そこで句の流れを一度切って、古池の静かな景と、蛙が飛びこむ一瞬の音とを取り合わせ、二つのあいだに余白を生む。十七音という短い形式のなかに深さを持たせる仕組みである。「かな」は詠嘆を、「けり」は気づきや詠嘆をこめた言い切りを表す。『去来抄』が伝える芭蕉の言葉では、「切字に用ふる時は四十八字皆切字なり、用ひざる時は一字も切字なし」とされ、決まった語があるかどうかより、句に切れがあるかどうかが大切だという考え方が示されている。現代の俳句でも、句の構造を決める基本の技法である。