体言止めとは

分類
文体・技法
読み
たいげんどめ

文や句の終わりを、名詞などの体言で結ぶ表現技法。用言(動詞、形容詞など)で終わる通常の文と違い、言い切りを避けて余韻を残し、情景を印象づける効果がある。結びの語の後に続くはずの言葉を読者に委ねることで、言葉にされない思いが広がる。和歌では『新古今和歌集』で多く用いられ、藤原定家の「見わたせば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮」の末尾「秋の夕暮」が、体言止めの有名な例である。この歌は寂蓮・西行の歌とともに「三夕の歌」と呼ばれ、三首とも「秋の夕暮」で結ばれている。『万葉集』のおおらかな詠みぶりに比べ、新古今の歌人たちは体言止めや本歌取りを駆使して、象徴的で余情のある歌を目指した。俳句でも、『おくのほそ道』の「夏草や兵どもが夢の跡」のように、結びに名詞を置いて余情を残す。散文でも、短い文を重ねて、テンポや臨場感を出すために使われ、「春はあけぼの」で始まる『枕草子』の冒頭も、体言で区切って印象を鮮やかにしている。近代の詩や小説、新聞の見出しや広告のコピーにも多く、言い切らずに読み手の想像を誘う手法として今も広く用いられている。ただし多用しすぎると文章が途切れがちになり、落ち着きを失うので、要所に用いるのが効果的とされる。

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