児童文学とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- じどうぶんがく
子どもを主な読者として書かれた文学の総称。童話、昔話の再話、少年少女小説、童謡や児童詩、絵本などを含み、大人が子どものために書いたものが中心である。西洋では、ペローやグリム兄弟の昔話集、アンデルセンの創作童話を経て、19世紀後半に、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』(1865年)、オルコットの『若草物語』、スティーヴンソンの『宝島』、マロの『家なき子』、バーネットの『小公女』など、子どもを主人公とする長編が次々に生まれた。日本では、明治24年(1891年)の巌谷小波『こがね丸』が近代の児童文学の出発点とされ、明治期には「お伽噺」の名で昔話の再話や翻案が広まった。大正7年(1918年)創刊の「赤い鳥」は、芸術性の高い「童話」と「童謡」を掲げ、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』や有島武郎の『一房の葡萄』を載せた。小川未明の『赤いろうそくと人魚』、宮沢賢治の『注文の多い料理店』、新美南吉の『ごん狐』も、この流れのなかで生まれている。昭和に入ると「少年倶楽部」などの雑誌が冒険や探偵の少年小説で人気を集め、江戸川乱歩や海野十三も子ども向けの探偵小説・科学小説を書いた。壺井栄の『二十四の瞳』(昭和27年)のように、子どもたちを描きながら大人にも広く読まれた作品も多い。