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若草物語(オルコット)のあらすじ・登場人物

プレゼントのないクリスマスなんか

  • 家族
  • 青春
  • 翻訳

オルコット 訳者 水谷まさる 1948年(昭和23年)6月

文字数
125,080字
読了目安
約4時間10分
表記
新字新仮名

この作品について

父を南北戦争の戦地に送り出したマーチ家の四姉妹の一年を描く、ルイザ・メイ・オルコットの代表作(1868年)。童謡詩人・児童文学者の水谷まさるが訳し、1948年(昭和23年)に京屋出版社の「少年世界文学選」として刊行された。作者自身の姉妹をモデルとした物語で、おとなしいメグ、男勝りのジョウ、内気なベス、気位の高いエミイという四人の性格の描き分けが、貧しいながらも温かい家庭の日々のなかに生き生きと置かれている。

あらすじ

「プレゼントのないクリスマスなんか、クリスマスじゃないわ」——敷物の上にねそべったジョウのそんな不平から物語は始まる。父は従軍牧師として南北戦争の戦地にあり、マーチ家の暮らしは決して楽ではない。長女のメグはおとなしく家事の得意な娘、次女のジョウは小説を書くのが好きで男の子のようにふるまい、三女のベスは内気で音楽を愛し、末のエミイは絵を描き、身なりを気にかける。四人は自分たちのための買い物をやめて母に贈り物を用意し、クリスマスの朝には母の提案で朝食を貧しいフンメル一家に運ぶ。隣の屋敷に住む孤独な少年ローリイと、その祖父ローレンス老人との交わりが始まり、贈り物のピアノ、夜会での失敗、焼けてしまった原稿と姉妹げんか、氷の割れた池での危機といった出来事が重なってゆく。やがて父の病を知らせる電報が届き、母は看護のため戦地へ発つ。留守のあいだ、ベスがフンメル家からうつされた猩紅熱で生死の境をさまよう。回復した父が帰り、一家がそろったクリスマス——それぞれに少しずつ大人になった四人の姿で、第一部の幕はおりる。

登場人物

冒頭部(原文より)

第一 巡礼あそび 「プレゼントのないクリスマスなんか、クリスマスじゃないわ。」と、ジョウは、敷物の上にねそべって不平そうにいいました。 「貧乏ってほんとにいやねえ。」と、メグはじぶんの着古した服を見ながらため息をつきました。 「ある少女が、いいものをたくさんもち、ある少女が、ちっとも、もたないなんて、不公平だと思うわ。」と、小さいエミイは、鼻をならしながらいいました。 「でもね、あたしたちは、おとうさんもおかあさんもあるし、こうして姉妹があるんだもの、いいじゃないの。」と、ベスが、すみのほうから満足そうにいいました。

「若草物語」オルコット(青空文庫)

末尾部(原文より)

ベスは、ソファに横になって、ローレンス老人とたのしそうに語っていました。老人は、ベスの手をにぎりしめ、その小さい手がじぶんを、彼女の歩いて来た平和な道にみちびいてくれるような気がしていました。  ジョウは、彼女らしい、きりっとしたしずかな表情で、ひくいイスによりかかり、ローリイはそのイスのせにもたれ、あごを彼女のちぢれ毛の頭とならべ、二人をうつしている長い鏡のなかの彼女にほほえんでうなずいていました。  こうして、メグとジョウとベスとエミイが、たのしくしているところへ幕はおりました。この幕がふたたびあげられるかどうか、それは、この「愛の姉妹」とよばれる家庭劇の第一幕が、いかにお客さまがたに、迎えられるかによるのであります。 おわり。

「若草物語」オルコット(青空文庫)

名文

「プレゼントのないクリスマスなんか、クリスマスじゃないわ。」

貧しいクリスマスの朝、次女ジョウが不満をもらす『若草物語』の書き出し。ここから四姉妹それぞれの個性と成長が描かれていく。

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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