俳諧七部集とは
- 分類
- その他
- 読み
- はいかいしちぶしゅう
松尾芭蕉とその門人たちの俳諧を伝える七つの撰集を、後世にまとめて呼んだもの。芭蕉七部集ともいう。『冬の日』『春の日』『阿羅野』『ひさご』『猿蓑』『炭俵』『続猿蓑』から成る。芭蕉が一人で書いた七巻の著作という意味ではなく、それぞれ編者や成立事情をもつ、門人たちの仕事を含んだ撰集である。最初の『冬の日』は貞享元年(1684年)、最後の『続猿蓑』は芭蕉没後の元禄11年(1698年)に刊行された。江戸中期に佐久間柳居がこれらを選び合わせたとされ、その後さまざまな版で広まった。発句だけでなく連句を通じて蕉風の展開を学べる点が重要で、『冬の日』に見られる新しい句作の試み、『猿蓑』の充実した付合、『炭俵』に表れる晩年の軽みなどを読み比べられる。ただし、七部のすべてが同じ内容構成をとるわけではない。後世の俳人にとって蕉風を学ぶ基本的な資料となり、芭蕉の作風をめぐる議論や復興の動きとも関わった。個々の集名だけでなく「七部集」として扱われるときには、芭蕉の生前から存在した一冊ではなく、後代の選定によるまとまりであることを押さえておきたい。