文芸時評とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- ぶんげいじひょう
新聞や雑誌に、その月やその時期に発表された文芸作品を取り上げて論評する文章。作品の評価だけでなく、文壇の動きや新しい傾向を読者に伝える役目を担い、ここで取り上げられることが新人にとって世に出るきっかけにもなった。自然主義の論客・島村抱月は明治40年(1907年)の『文章世界』に、当時盛んだった写生文とは何かを論じた短い時評『今の写生文』を寄せている。大正末から昭和初期にかけては川端康成が多くの文芸時評を書き、新しい才能をいち早く認めたことで知られる。昭和4年(1929年)に『改造』の懸賞評論に『様々なる意匠』が入選して登場した小林秀雄は、翌年から『文藝春秋』に文芸時評を連載し、批評をそれ自体が読まれる文学へと押し上げた。戦後も新聞各紙の文芸時評は長く続き、平野謙や江藤淳らが担当している。毎月の作品を同時代の目で読む文芸時評は、文学史を振り返るうえでも、作品が発表された当時にどう受け止められたかを伝える資料となる。
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- 今の写生文 1907年(明治40年)3月