貸本屋とは

分類
結社・団体
読み
かしほんや

本を客に貸して料金を取る商売、またその店や人をいう。江戸時代には木版印刷の書物が広まったが、本は高価だったため、借りて読む人が多かった。貸本屋は多くの本を風呂敷に包んで背負い、得意先を回って、洒落本、人情本、滑稽本、読本、合巻などの戯作を貸し出した。文化5年(1808年)には江戸の貸本屋仲間が六百軒を超えていたと伝えられ、本の出版と流通の仕組みを支えた。名古屋の大惣(大野屋惣八)は明和年間に創業した大規模な貸本屋で、その膨大な蔵書は明治まで受け継がれた。貸本屋は読者の好みを版元に伝える役目も担い、長編の読本や合巻が続編を重ねたのも、こうした読者層の広がりに支えられていた。明治以降も、新聞や雑誌、廉価な円本や文庫が普及するまで娯楽としての読書を担い、戦後には貸本漫画や貸本小説を扱う店が全国に広がった。庶民の読書文化を広げた存在である。

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