堤中納言物語とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- つつみちゅうなごんものがたり
平安時代後期から鎌倉時代にかけて成立した十編の短編物語を集めた作品集。編者・個々の作者とも明らかでなく、「花桜折る少将」「このついで」「虫めづる姫君」「ほどほどの懸想」「逢坂越えぬ権中納言」「貝あはせ」「思はぬ方にとまりする少将」「はいずみ」「よしなしごと」「花々といふ女」の十編に断章を加えた構成で、一編ごとに成立の時期が異なるとみられている。長編の物語が優雅さを競った時代に、笑い話や滑稽な失敗談、少女の機知を描いた小品が並ぶのが特色である。なかでも「虫めづる姫君」は、眉を抜かず歯を黒く染めず、毛虫を愛する風変わりな姫君を描き、宮崎駿が『風の谷のナウシカ』の着想源の一つとして挙げたことでも知られる。書名の「堤中納言」は、堤中納言と呼ばれた藤原兼輔に由来するともいうが、定かではない。