千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)とは

分類
形式・ジャンル
読み
せんやいちやものがたり

アラビア語で伝わる説話集。原題は『アルフ・ライラ・ワ・ライラ(千と一つの夜)』で、千一夜物語ともいう。原型はペルシア語の物語集『ハザール・アフサーナ(千の物語)』とされ、9世紀の写本の断片が残る。その後、バグダードやカイロなどで、インド・ペルシア・アラブ各地の説話が少しずつ加えられて大きくなった。妻の裏切りから女性を信じなくなり、毎夜新しい妻を迎えては翌朝殺していたシャフリヤール王のもとに、大臣の娘シェヘラザードが嫁ぎ、毎晩物語を語って続きを翌晩に持ち越すことで命をつなぐ、という枠の中に、数多くの物語が収められている。物語の中の人物がさらに物語を語る入れ子の構成も多い。18世紀初め、フランスのアントワーヌ・ガランが仏訳(1704〜17年)を出してヨーロッパで大流行した。よく知られた「アラジンと魔法のランプ」「アリ・ババと四十人の盗賊」は、主要なアラビア語の写本には見えず、ガランがシリア出身の語り手ハンナ・ディヤーブから聞いた話をもとに加えたものとされる。19世紀にはイギリスのバートンの英訳も出た。日本では明治8年(1875年)に永峰秀樹訳の『暴夜物語』が出版され、明治16年(1883年)には井上勤の『全世界一大奇書』も刊行されて広く読まれた。その後も子ども向けの再話が数多く作られ、菊池寛も「アラジン」「アリ・ババ」「船乗りシンドバッド」などを、です・ます体のやさしい語り口で書き直した。シンドバッドの話は、貧しい荷かつぎが大金持ちの船乗りから七度の航海の話を聞くという、作中でさらに枠を設けた構成をとっている。

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