談義本とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- だんぎぼん
江戸時代中期、18世紀の中ごろに江戸を中心に流行した小説の一種。僧侶の説法である談義の口調を借りて、世相や人情を風刺しながら、教訓と笑いを織りまぜて語る。上方の浮世草子が衰えたのち、出版の中心が江戸へ移っていく時期に生まれた。静観房好阿『当世下手談義』(宝暦2年・1752年)の刊行が転機となって本格化し、平賀源内の『根南志具佐』『風流志道軒伝』が代表作にあげられる。江戸の言葉や風俗を初めて文学の題材にした点が新しく、俗語を用いた喜劇的な表現にも特色があった。寛政の末ごろまで作られたが、やがて笑いの要素が独立して、洒落本や滑稽本などの戯作に取って代わられた。「談義」とは僧が仏の教えを説くことをいい、その説教の調子をもじって世を諭すふりをしながら笑わせるところに、この種の読み物の面白さがあった。教訓から笑いへという流れを、近世小説の変遷のなかで示す存在である。