文芸復興とは

分類
その他
読み
ぶんげいふっこう

昭和8年(1933年)ごろから10年代のはじめにかけて、文学がふたたび活気を取り戻した時期をいう呼び名。弾圧によってプロレタリア文学の運動が壊滅し、モダニズムの実験も退いたあとの空白に、政治から離れて文学そのものへ向かう関心が戻ってきたことが背景にある。昭和8年10月には小林秀雄・川端康成・林房雄らの「文學界」が創刊されて、かつて対立した元プロレタリア派とモダニズム派が同じ誌面に集い、昭和10年(1935年)には芥川賞・直木賞が設けられて文学がジャーナリズムの注目を集めた。既成作家の仕事も相次いで実り、島崎藤村は父をモデルに幕末維新を描いた大作『夜明け前』を昭和10年に完結させ、谷崎潤一郎は『春琴抄』(昭和8年)で古典的な美の世界を作り上げている。尾崎一雄・丹羽文雄・石川達三ら新人も登場し、日本浪曼派や詩誌「四季」も興った。その活気は、日中戦争が始まる昭和12年(1937年)以降の言論統制のなかで急速にしぼんでいく。戦時体制へ向かう直前の、短い実りの季節であった。

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