白話小説とは

分類
形式・ジャンル
読み
はくわしょうせつ

中国で、文語(文言)ではなく当時の話し言葉(白話)にもとづく文体で書かれた小説。文言で書かれた志怪・伝奇などの文言小説と対比される。宋代に盛り場の講釈師が語った物語の台本「話本」に始まり、やがて読み物として整えられて、明代には『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』『金瓶梅』の「四大奇書」に代表される長編が生まれ、清代の『紅楼夢』へと続いた。短編では、明末の馮夢竜が編んだ『古今小説』『警世通言』『醒世恒言』と、凌濛初の『初刻拍案驚奇』『二刻拍案驚奇』が「三言二拍」と呼ばれる。日本には17世紀ごろから長崎を通じて伝わり、中国語の口語を学ぶ唐話学の流行とともに、岡島冠山らが翻訳や読解に取り組んだ。都賀庭鐘は白話小説の短編を日本の歴史に移した『英草紙』(寛延2年、1749年)で読本の道を開き、上田秋成の『雨月物語』(安永5年、1776年)では、『古今小説』の一編が「菊花の約」に、『警世通言』の一編が「蛇性の婬」に生まれ変わった。後期には山東京伝の『忠臣水滸伝』や、『水滸伝』の構成に学んだ曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』が書かれた。影響は近代にも及び、吉川英治は『三国志演義』をもとに『三国志』(昭和14年〜)を、『水滸伝』をもとに『新・水滸伝』(昭和33年〜)を書いている。

関連する用語

この用語に関わる作品

この用語に関わる作家