雨月物語とは

分類
形式・ジャンル
読み
うげつものがたり

安永5年(1776年)に刊行された、上田秋成の読本。全5巻5冊で、日本と中国の古典に取材した九編の怪異談から成る。収める作品は、『白峯』『菊花の約』『浅茅が宿』『夢応の鯉魚』『仏法僧』『吉備津の釜』『蛇性の婬』『青頭巾』『貧福論』。内容は中国の白話小説の翻案に負うところが大きく、そこに『保元物語』など日本の古典の素材を重ねて、怪異のなかに人間の執念や情念を描き出した。『菊花の約』は再会の約束を守るため自害して霊となって訪れる友の話、『浅茅が宿』は戦乱で別れた夫を待ち続けた妻が帰った夫の前に現れる話である。読本の前期の頂点とされ、格調高い雅俗折衷の文体にも特色がある。昭和28年(1953年)には溝口健二がこれを原作の一つとして映画化し、ヴェネツィア国際映画祭の銀獅子賞を受けて、海外でも広く知られた。秋成は最晩年にも、短編集『春雨物語』を書き継いでいる。

関連する用語

この用語に関わる作品

この用語に関わる作家