懐風藻とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- かいふうそう
天平勝宝3年(751年)に成立した、日本に現存する最古の漢詩集。編者は未詳で、大友皇子、大津皇子ら六十四人の作者の漢詩約百二十首を、おおむね作者の時代順に収める。編者を淡海三船とする説があるが、確証はない。作者には略伝を添えたものがあり、謀反の疑いで死を賜った大津皇子が臨終に詠んだとされる「金烏西舎に臨み」で始まる五言の詩は、とくに名高い。壬申の乱(672年)で敗れた大友皇子の時代から、奈良時代の半ばまでの詩を集めており、当時の貴族や官人が、中国の詩文を学んで漢詩を作ることを教養としていたことがわかる。序文には、近江朝(天智天皇の宮廷)で文学が栄えたことが記されている。宴席での作や、自然を詠んだ作が多く、五言の詩が大半を占め、中国の六朝や初唐の詩の影響が強いが、のちの『万葉集』の和歌と同じ時代に生まれた作品として、上代の日本人の感性を知る手がかりになる。書名は、先人の遺風を懐かしむ意とされる。