律詩とは

分類
形式・ジャンル
読み
りっし

漢詩の形式の一つで、八句から成る近体詩。一句が五字の五言律詩(四十字)と、七字の七言律詩(五十六字)がある。六朝時代に詩の音の美しさが追究されたことを背景に、五言は7世紀後半、七言は8世紀初めに唐で形が整った。八句は二句ずつ四つの聯に分けられ、順に首聯・頷聯・頸聯・尾聯と呼ぶ。このうち第三・四句の頷聯と第五・六句の頸聯は対句にしなければならず、首聯と尾聯は対句にしてもしなくてもよい。押韻は偶数句の末に置き、七言では第一句の末にも踏むのが基本で、途中で韻を換えない。各字の声調(平仄)の配列にも厳しい決まりがある。十句以上に引き延ばしたものは排律と呼ばれる。律詩、とくに七言律詩を完成させた詩人とされるのが杜甫で、「国破れて山河在り、城春にして草木深し」で始まる五言律詩「春望」は、日本でもよく知られる。松尾芭蕉は『おくのほそ道』の平泉の章で、この詩を「国破れて山河あり、城春にして草青みたり」と引き、笠を敷いて時の移るまで涙を落としたと記した。近代では、中島敦『山月記』(昭和17年)で、虎になった李徴が「即席の詩」として述べる「偶因狂疾成殊類」で始まる詩も、七言八句の律詩の形をとっている。

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