対句とは

分類
文体・技法
読み
ついく

語の数や文法的な構造が対応する二つの句を並べる表現技法。もとは漢詩・漢文で重んじられた修辞で、律詩では第三・四句(頷聯)と第五・六句(頸聯)をそれぞれ対句にする決まりがあり、四字と六字の対句を連ねる駢文(四六駢儷文)という文体も生まれた。日本の詩歌や散文にも取り入れられ、『平家物語』の冒頭「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」は、前半と後半が対句になっている。鴨長明の『方丈記』も、人の世のはかなさを「朝に死に、夕に生まるるならひ」と朝と夕を対にして述べるなど、対句を多く用いて和漢混淆文の格調を生んでいる。『万葉集』にも多く見られ、柿本人麻呂の長歌では、対句がリズムを整え、荘重な調子を生んでいる。平安時代の『和漢朗詠集』は、漢詩文の対句の名句と和歌を並べた詞華集で、対句の美しさを日本人に親しませた。対応する内容を並べることで、意味を強めたり、対比を示したりする。似た内容を重ねる対句と、反対の内容を並べて際立たせる対句とがあり、後者は対照法とも呼ばれる。近代の詩でも、七五調の新体詩などで対句が調べを支えた。現代の文章でも、スローガンや見出しなどで、リズムの良さを出すために用いられる。

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