和漢朗詠集とは

分類
形式・ジャンル
読み
わかんろうえいしゅう

平安時代中期、藤原公任が撰んだ詩歌集で、十一世紀初めの成立とされる。朗詠とは、漢詩の句や和歌に節をつけて声に出して詠むことで、この書は、朗詠に適した漢詩文の名句588と和歌216首を、題材ごとに配列してまとめたものである。上巻は春夏秋冬の四季、下巻は風・雲・山水などの雑の題に、祝いや恋、無常などを扱う。たとえば「春夜」「柳」といった題のもとに、白居易ら中国の詩人の詩句、菅原道真ら日本の漢詩人の句、紀貫之らの和歌が並び、漢と和の美意識が同じ題の下で響き合う。漢詩文では白居易の句が最も多く、和歌では紀貫之が最も多い。公任の娘が藤原教通に嫁ぐ際の引出物として整えられたという伝えもある。貴族が教養として身につけるべき詩歌の手本として重んじられ、後世の物語や随筆、軍記物語、謡曲にも数多く引用されて、日本人の古典的な景物の感じ方に深い影響を与えた。書家による写本も多く、書道の手本としても伝えられる。

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