長歌・反歌とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- ちょうか・はんか
『万葉集』に見られる歌の形式。長歌は、五音と七音の句を交互に繰り返し、最後を五七七で結ぶ歌で、長いものは百句を超える。『万葉集』で最も長いのは、柿本人麻呂が高市皇子の死を悼んだ挽歌で、149句に及ぶ。公的な儀式や宮廷の行事、死者を悼む場面で詠まれることが多い。反歌は、長歌のあとに添える短い歌で、長歌の内容を要約したり補ったり、別の角度から繰り返したりする。多くは五七五七七の短歌の形をとり、一首だけでなく二首・三首を添えることもある。「反」は繰り返す意で、中国の辞賦の末尾に置かれる「反辞」にならった呼び名とされる。柿本人麻呂は、天皇や皇子の死を悼む挽歌や、宮廷を讃える歌で、壮大な長歌の様式を確立した。山上憶良の「貧窮問答歌」や、大伴家持の長歌もよく知られる。長歌は平安時代になるとほとんど作られなくなり、短歌が和歌の中心となった。『古今和歌集』には、巻十九の雑体に「短歌」と題された長歌が数首収められるのみである。近世には賀茂真淵ら国学者が万葉ぶりを慕って長歌を詠み、明治の新体詩にも、七五や五七の句を長く連ねる詩形として影響を残した。声に出して詠まれた古代の歌の姿を伝える形式である。