記紀歌謡とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- ききかよう
『古事記』と『日本書紀』に収められた歌謡の総称。「記紀」はこの二書を合わせた呼び名である。神話や伝説、天皇や皇族をめぐる叙述の中に歌が置かれ、国を讃える歌、酒宴の歌、男女の呼びかけ、死者を悼む歌など、多様な内容を伝える。詞章は主に漢字の音を借りて記されており、古代日本語の音や表現を知る資料でもある。長歌・短歌・旋頭歌・片歌などに通じる形が見られる一方、音数が一定しない歌もあり、『万葉集』の定型的な歌とは異なる古い歌謡の姿がうかがえる。同じ、またはよく似た歌が二書の双方に収められていることもある。歌の数え方や重複の扱いによって総数が変わるため、一つの数字だけで全体を捉えることはできない。物語中で神や古い時代の人物が歌ったとされても、その人物の時代に実際に作られたと確認できるわけではない。伝承された歌が編纂の際に物語へ組み込まれた場合や、物語と深く結びついて成立した場合を考える必要がある。誰が何を歌う場面として配置されているかにも注目すると、歌と散文が一体となって古代の世界を語る仕組みが分かる。
関連する用語
この用語に関わる作品
- 古事記 712年