グリム童話とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- ぐりむどうわ
ドイツのヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟が編んだ昔話集『子どもと家庭のための昔話集』の通称。ドイツの古い言葉と伝承を研究していた兄弟が、知人や土地の語り手から聞き書きした話を集め、1812年に第1巻、1815年に第2巻を刊行した。その後も弟ヴィルヘルムを中心に、版を重ねるたびに話を差し替え、文章に手を入れて子どもにも親しみやすい語り口へ整えていき、1857年の第7版(決定版)では210編に達した。巻頭の「かえるの王さま」をはじめ、「白雪姫」「赤ずきん」「ヘンゼルとグレーテル」「ブレーメンの音楽隊」「ラプンツェル」などは、ここから世界中に広まった。三度のくりかえしや決まった唱え言葉など、口で語られる昔話の型をよく残している点に特色があり、各地の昔話を比べて研究する営みの礎ともなった。日本には明治期から紹介され、巌谷小波は『こがね丸』の凡例で、構想の助けとしてグリムやアンデルセンの名を挙げている。大正以降は中島孤島の『グリム御伽噺』(大正5年)や、楠山正雄・菊池寛らの子ども向けの訳で親しまれた。同じ話型を持つペローの童話と読み比べると、結末や細部の違いから、語り手と時代の好みが見えてくる。