アンデルセン童話とは

分類
形式・ジャンル
読み
あんでるせんどうわ

デンマークのハンス・クリスチャン・アンデルセンが書いた童話の総称。1835年に小冊子『子どものための童話集』の刊行を始め、生涯に150編を超える童話を発表した。「野のはくちょう」のように民話を下敷きにした話もあるが、大半は作者自身の創作で、各地の昔話を聞き書きして集めたグリム兄弟とはこの点が大きく異なる。「人魚姫」「みにくいアヒルの子」「雪の女王」「マッチ売りの少女」「はだかの王さま」など、おもちゃや草花、身の回りの道具にまで命を与えて語らせる空想の豊かさと、貧しさや報われない思い、死を見つめるまなざしとが同居し、子どもだけでなく大人の心にも届く。月が夜ごとに見てきたことを語る『絵のない絵本』のような連作もある。日本では、森鴎外が明治25年から9年をかけて訳した長編『即興詩人』が、原作をしのぐとまで評される名訳として名高い。童話も明治期から紹介され、巌谷小波は『こがね丸』の凡例で、構想の助けとしてグリムとともにアンデルセンの名を挙げている。大正・昭和には楠山正雄や菊池寛が子ども向けに訳し、戦後は北欧文学者の矢崎源九郎の訳が新潮文庫で広く読まれた。「みにくいアヒルの子」は、遅れて花ひらく者をたとえる言い回しとして日本語にも定着している。

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