赤ずきんちゃん(グリム兄弟)のあらすじ・登場人物
おばあさん、お耳が大きいのね
- 幻想
- 翻訳
- 文字数
- 3,719字
- 読了目安
- 約7分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
おばあさんがこしらえてくれた赤いびろうどのずきんが似あうので、そればかりかぶっている女の子。病気のおばあさんに菓子とぶどう酒を届ける道すがら、森でおおかみに出会う——グリム兄弟の童話のうち世界で最もよく知られた一篇を、日本の昔話の再話で知られる楠山正雄が子どもの声で読めるやさしい日本語に語り直した。横道にそれてはいけないという母の言いつけと、花を摘むうちに森の奥へ誘われてゆく無邪気さとの対比が、短い紙数のなかに鮮やかに置かれている。
あらすじ
おばあさんにもらった赤いびろうどのずきんが似あうので、村の人からは赤ずきんちゃんとばかり呼ばれている女の子がいた。ある日、母親から「病気のおばあさんに菓子とぶどう酒を届けておいで、横道にかけだしてはいけないよ」と言いつかって、森の中の家へ出かける。森に入ったところでおおかみが出てきて、赤ずきんちゃんは悪いけだものとも知らず、おばあさんの家が森の奥の三本のかしの木の下にあることまで教えてしまう。おおかみは、まず年寄りを、ついでに娘もと胸算用し、「そこらの花をごらん、小鳥もあんなに歌っているのに」とそそのかす。花束をこしらえてあげようと横道へ入った赤ずきんちゃんが、一つ摘むたびに先のもっときれいな花へと誘われて森の奥へ入ってゆくあいだに、おおかみはおばあさんの家へ先回りしてしまう。やがてたどり着いた赤ずきんちゃんは、寝床の中の「おばあさん」の耳や目や口の大きさをふしぎがり、そして——。通りかかった猟師が腹を裂いて二人を助け出し、かわりに石を詰めるという、よく知られた結末まで語られる。
登場人物
- 赤ずきんちゃん 赤いびろうどのずきんをかぶった女の子
- おおかみ 森で赤ずきんちゃんに近づき、先回りしておばあさんの家をねらう
- おばあさん 森の中にひとりで住む、病気の祖母
- おかあさん 横道にそれてはいけないと言いきかせる母
- かりうど おおかみの腹を裂いて二人を助け出す猟師
冒頭部(原文より)
むかし、むかし、あるところに、ちいちゃいかわいい女の子がありました。それはたれだって、ちょいとみただけで、かわいくなるこの子でしたが、でも、たれよりもかれよりも、この子のおばあさんほど、この子をかわいがっているものはなく、この子をみると、なにもかもやりたくてやりたくて、いったいなにをやっていいのかわからなくなるくらいでした。それで、あるとき、おばあさんは、赤いびろうどで、この子にずきんをこしらえてやりました。すると、それがまたこの子によく似あうので、もうほかのものは、なんにもかぶらないと、きめてしまいました。そこで、この子は、赤ずきんちゃん、赤ずきんちゃん、とばかり、よばれるようになりました。
「赤ずきんちゃん」グリム兄弟(青空文庫)
末尾部(原文より)
赤ずきんちゃんは、でも、さっそく、大きなごろた石を、えんやらえんやらはこんできて、おおかみのおなかのなかにいっぱい、つめました。やがて目がさめて、おおかみがとびだそうとしますと、石のおもみでへたばりました。 さあ、三人は大よろこびです。かりうどは、おおかみの毛皮をはいで、うちへもってかえりました。おばあさんは、赤ずきんちゃんのもってきたお菓子をたべて、ぶどう酒をのみました。それで、すっかりげんきをとりかえしました。でも、赤ずきんちゃんは、(もうもう、二どと、森の中で横道にはいって、かけまわったりなんかやめましょう。おかあさんがいけないと、おっしゃったのですものね。)と、かんがえました。
「赤ずきんちゃん」グリム兄弟(青空文庫)
名文
「あら、おばあさん、なんて大きなお耳。」
グリム童話『赤ずきん』の有名な問答の始まり。ベッドの「おばあさん」の耳、目、手、口と問いを重ねるたびに緊張が高まる。
原文を読む
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