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おおかみと七ひきのこどもやぎ(グリム兄弟)のあらすじ・登場人物

声はしゃがれ、足はまっ黒

  • 幻想
  • 翻訳

グリム兄弟 訳者 楠山正雄 1949年(昭和24年)2月

文字数
3,695字
読了目安
約7分
表記
新字新仮名

この作品について

留守番をする七ひきのこやぎと、声を変え足を白くして戸を叩くおおかみ。声・足と、三度の見破りと変装が積み重なるグリム童話を、楠山正雄が子ども向けに訳した一篇。原話の運びをそのまま伝える。日本でも絵本や紙芝居の定番として親しまれてきた。

あらすじ

森へ食べものを取りに出かける母やぎは、七ひきのこどもやぎに「けっしておおかみを入れてはいけない。あいつは声がしゃがれていて、足がまっ黒だからすぐ分かる」と言いきかせて出てゆく。まもなく戸を叩く者があり、「かあさんだよ」と言うが、声がしゃがれているのでこやぎたちは戸を開けない。おおかみは白墨を食べて声を細くし、粉屋に脅して前足に白い粉をつけさせ、三度目にようやく戸を開けさせてしまう。こやぎたちは机の下へ、寝床へ、炉の中へと逃げまどうが、末の子が柱時計の箱にかくれたほかは、次々とのみこまれてしまった。帰ってきた母やぎは、荒らされた家と、時計の中で震えている末の子から事の次第を知る。外の草原でいびきをかいて眠るおおかみを見つけた母やぎは、はさみで腹を切り開き、六ぴきを生きたまま助け出すと、かわりに大きな石を詰めて縫い合わせた。目を覚まして井戸へ水を飲みにいったおおかみは、腹の石の重みに引かれて水の中へ落ちてしまう。

登場人物

冒頭部(原文より)

一  むかし、あるところに、おかあさんのやぎがいました。このおかあさんやぎには、かわいいこどもやぎが七ひきあって、それをかわいがることは、人間のおかあさんが、そのこどもをかわいがるのと、すこしもちがったところはありませんでした。  ある日、おかあさんやぎは、こどもたちのたべものをとりに森まで出かけて行くので、七ひきのこどもやぎをよんで、こういいきかせました。 「おまえたちにいっておくがね、かあさんが森へ行ってくるあいだ、気をつけてよくおるすばんしてね、けっしておおかみをうちへ入れてはならないよ。あいつは、おまえたちのこらず、まるのまんま、それこそ皮も毛もあまさずたべてしまうのだよ。

「おおかみと七ひきのこどもやぎ」グリム兄弟(青空文庫)

末尾部(原文より)

がらがら、ごろごろ、なにがなる そりゃどこでなる、腹でなる。 六ぴきこやぎのなくこえか、 こりゃ、そうじゃない、ごろた石、  おおかみは、こううたいました。  さて、やっとこすっとこ、ふき井戸の所まで来て、水の上にかがもうとすると、おなかの石のおもみに引かれて、おおかみは、のめりました。そうして、いやおうなしに、泣き泣きおおかみは、水の中におちこみました。  遠くで見ていた七ひきのこどもやぎは、みんなかけよって来て、 「おおかみ死んだよ。おおかみ死んだよ。」とさけびながら、おかあさんやぎと手をつなぎながら、おおよろこびで、井戸のまわりをおどりまわりました。

「おおかみと七ひきのこどもやぎ」グリム兄弟(青空文庫)

名文

「あけてやらない。おかあさんじゃないから。おかあさんは、きれいな、いい声してるけれど、おまえはしゃがれっ声のがあがあ声だもの。おまえはおおかみだい。」

母やぎの言いつけを守る子やぎたちの返事。声や足の色で見破ろうとする子らと、化けようとするおおかみの知恵比べが続く。

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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