日本霊異記とは

分類
形式・ジャンル
読み
にほんりょういき

平安時代初期に、薬師寺の僧・景戒がまとめた日本最古の仏教説話集。正式な書名は『日本国現報善悪霊異記』という。弘仁13年(822年)ごろの成立とされ、上・中・下の三巻に百十余りの説話を収める。漢文で書かれ、各巻に景戒自身の序があり、下巻には自らの貧しい暮らしや見た夢を語るくだりもある。善い行いには善い報い、悪い行いには悪い報いがあるという因果応報の理を、日本で実際にあった出来事として語るのが特徴で、雄略天皇の命で雷を捕らえに行った小子部栖軽の話に始まり、牛に生まれ変わった親の話、観音の霊験、正式な許しを得ずに出家した私度僧の行いまで、話は多彩である。説話は仏教の教えを広めるために語られたものだが、奈良時代を中心とする庶民の暮らしぶりや信仰、ときに人間の欲深さがありのままに記されている。多くの話が『今昔物語集』の本朝部に取り入れられ、のちの説話文学の源流となった。

関連する用語