私家集とは

分類
形式・ジャンル
読み
しかしゅう

主として近世以前の、一人の歌人の和歌をまとめた歌集。家集とも呼ぶ。作者が自分で編集する場合のほか、家族や門人などが、生前の詠草や没後に残された歌を集める場合もある。そのため、歌人の名が付いた集でも、本人が現在の形に編んだとは限らない。紀貫之の『貫之集』、西行の『山家集』、藤原定家の『拾遺愚草』などが知られる。季節や恋といった題材別に配列するもの、制作の順を追うもの、歌合や百首歌の作品を集めたものなど、構成は多様である。詞書に歌の生まれた事情や贈答の相手を記すものもあり、歌人の生活や交友を知る資料にもなる。一方、後世の編集や書写の過程で他人の歌が入り込んだり、同じ家集でも伝本によって収録歌や配列が異なったりすることがあるため、作者の自伝としてそのまま読むことはできない。多くの歌人の作品を私的に選ぶ私撰集とは、主に一人の作品を集める点で区別する。また、天皇や上皇の命で編まれた勅撰和歌集に選ばれなかった歌も残しており、一人の作風を幅広く知るうえで欠かせない。勅撰集の歌と家集の本文を照合することも、和歌研究の重要な作業となっている。

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