作品(雑誌)とは

分類
結社・団体
読み
さくひん

昭和5年(1930年)5月号から昭和15年(1940年)4月号まで、全120冊が刊行された文芸雑誌。発行所は作品社で、実質的な編集は小野松二が担った。堀辰雄、井伏鱒二、小林秀雄、河上徹太郎、中島健蔵、永井龍男らが寄稿し、昭和初年代から10年代にかけて、多くの中堅・新進作家や批評家が作品を発表する場となった。坂口安吾はとくに縁が深く、若い妻に頭の上がらない博士をめぐる初期のドタバタ喜劇『霓博士の廃頽』(昭和6年)以来、『蒼茫夢』や、母への複雑な思いを語る『おみな』(ともに昭和10年)、雪国の寒村の噂話を説話風に語る『禅僧』(昭和11年)など、多くの作品をこの雑誌に寄せた。昭和11年(1936年)に、安吾を世に出した先輩作家の牧野信一が亡くなったときには、追悼文『牧野さんの死』を誌上に書いている。太宰治も昭和10年(1935年)、雪解けの野原で遊ぶ津軽の子供たちを津軽弁の語りで描いた掌編『雀こ』を発表した。掲載作の顔ぶれは、文芸復興期と呼ばれる昭和10年前後の文学の広がりをよく伝えている。

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