イーハトーブとは
- 分類
- その他
- 読み
- いーはとーぶ
宮沢賢治が作品の舞台とした架空の土地の名。故郷の岩手県をもとにした造語で、「岩手」をもじったものとする説が定説だが、賢治自身は語源を説明していない。表記は時期によって「イーハトヴ」「イーハトーヴ」「イーハトーヴォ」「イーハトーボ」などと揺れる。大正13年(1924年)12月に刊行した童話集『イーハトヴ童話 注文の多い料理店』の広告文で、賢治はイーハトヴを一つの地名だとし、アンデルセンやキャロルの物語の世界と並べたうえで、それは著者の心象のなかに実在した「ドリームランドとしての日本岩手県」であると説明した。この童話集には表題作のほか『どんぐりと山猫』『鹿踊りのはじまり』などが収められる。イーハトーヴの森に生まれた少年が火山局の技師となる『グスコーブドリの伝記』、盛岡をもとにしたモリーオ市を舞台にする『ポラーノの広場』、吹雪のイーハトヴを発つ急行列車の『氷河鼠の毛皮』など、賢治の童話には現実の岩手の風土と空想とが溶け合ったこの世界がたびたび現れる。仙台をもとにしたセンダード、東京をもとにしたトキーオなどの地名も登場する。今日では岩手県や賢治の世界を指す愛称としても広く使われている。
関連する用語
この用語に関わる作品
- 注文の多い料理店 1924年(大正13年)12月
- 『注文の多い料理店』序 1924年(大正13年)12月
- どんぐりと山猫 1924年(大正13年)12月
- 鹿踊りのはじまり 1924年(大正13年)12月
- グスコーブドリの伝記 1932年(昭和7年)3月
- ポラーノの広場 1934年(昭和9年)
- 氷河鼠の毛皮 1923年(大正12年)4月