好色物とは

分類
形式・ジャンル
読み
こうしょくもの

井原西鶴の浮世草子のうち、色恋と遊里を主題とする作品群。西鶴の浮世草子は、好色物・武家物・町人物・雑話物に分けられ、好色物は天和2年(1682年)の『好色一代男』に始まる。『好色一代男』は、色道に生きる世之介の七歳から六十歳までを一年一章、全八巻五十四章でたどり、『源氏物語』を下敷きにした構成と、俳諧で鍛えた簡潔な文体で、それまでの教訓的な仮名草子とは一線を画した。貞享3年(1686年)の『好色五人女』は、世間を騒がせた恋の事件を題材に、お夏清十郎・おせん・おさん茂右衛門・八百屋お七・おまん源五兵衛の五つの物語を収める。家や世間のしきたりに縛られた町人の女たちが、みずから恋に踏み出す姿を描き、のちに浄瑠璃や歌舞伎で繰り返し取り上げられた。同じ年には『好色一代女』も出ている。当世の人間と風俗を、美化せずにありのままに写す態度は、西鶴の浮世草子全体に通じている。

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