岩波書店とは

分類
結社・団体
読み
いわなみしょてん

大正2年(1913年)、岩波茂雄が東京・神田に開いた古書店に始まる出版社。値引きの駆け引きが当たり前だった古書を正札どおりに売る商法で信用を得た。翌大正3年(1914年)、夏目漱石の知遇を得て『こゝろ』を刊行したのが出版の始まりで、この本は漱石自身が装丁を手がけている。漱石の没後は大正6年(1917年)から『漱石全集』を刊行し、倉田百三の戯曲『出家とその弟子』(大正6年)が評判をとったほか、哲学書・学術書を次々に世に送って、大正期の学生や知識人の読書を支える出版社となった。昭和2年(1927年)7月には、ドイツのレクラム文庫を範に「岩波文庫」を創刊し、古今東西の古典を安価な小型本で刊行した。巻末に掲げられた茂雄の発刊の辞『読書子に寄す』は、当時流行していた予約制の全集、いわゆる円本の売り方を批判し、学芸を万人のものにするという志を述べている。昭和13年(1938年)には書き下ろしの教養書のシリーズ「岩波新書」を始め、戦後の昭和21年(1946年)には総合雑誌『世界』を創刊した。永井荷風の『濹東綺譚』の単行本(昭和12年)も岩波書店から出ており、太宰治の『桜桃』は『世界』に発表された作品である。

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