三国志演義とは

分類
形式・ジャンル
読み
さんごくしえんぎ

中国の後漢末から三国時代の興亡を描いた長編の白話小説。元末明初の羅貫中がまとめたと伝えられ、現存最古の刊本は明の嘉靖年間に出た『三国志通俗演義』である。清の初めに毛綸・毛宗崗の父子が手を入れた120回本が広く流布し、『水滸伝』『西遊記』『金瓶梅』とともに四大奇書に数えられる。もとになった歴史書は、西晋の陳寿が3世紀末に編んだ正史『三国志』で、魏・蜀・呉それぞれの人物の伝記を紀伝体で記し、王朝の正統を魏に置く。これに南朝宋の裴松之が多くの異聞を集めた注を付け、宋代以降は講釈師の語りや元の雑劇で物語がふくらんだ。演義はこうした伝承を取りまとめ、劉備の蜀漢を正統として、劉備・関羽・張飛と軍師諸葛亮を主役に、曹操を奸雄として描く。劉備ら三人が義兄弟の契りを結ぶ「桃園の誓い」は演義の創作であり、赤壁の戦いで諸葛亮が東南の風を祈る場面なども脚色が大きい。清の章学誠が「七分は実事、三分は虚構」と評したように、史実の骨組みに物語の肉付けをした作品である。日本では元禄2年(1689年)の序をもつ湖南文山の訳『通俗三国志』が元禄5年(1692年)にかけて刊行され、広く読まれた。近代には吉川英治が『三国志』(昭和14年〜)を新聞に連載し、通俗三国志や演義の直訳によらず独自の解釈を加えて、日本人の思い描く三国志像を形づくった。陳寿の正史のうち「魏書」東夷伝の倭人の条は、日本では「魏志倭人伝」として知られる。

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