水滸伝とは

分類
形式・ジャンル
読み
すいこでん

中国明代の長編の白話小説。北宋末の宣和年間に、宋江らが山東で反乱を起こしたという史実をもとに、南宋以降の講談や元の雑劇で語られた豪傑たちの物語をまとめたもので、作者は施耐庵とも羅貫中ともいわれ、定かでない。封じられていた百八の魔星が人の世に放たれるところから始まり、役人の横暴や冤罪に追われた者たちが一人また一人と山東の水郷・梁山泊に集まって「替天行道」の旗を掲げるまでを、人物ごとの挿話を連ねて描く。版本には100回本・120回本のほか、明末の金聖嘆が後半を切り捨てた70回本があり、『三国志演義』『西遊記』『金瓶梅』とともに四大奇書に数えられる。日本には江戸時代に伝わり、岡島冠山の名を冠した翻訳『通俗忠義水滸伝』が宝暦7年(1757年)から寛政2年(1790年)にかけて刊行されて広く読まれた。翻案も相次ぎ、建部綾足の『本朝水滸伝』(安永2年、1773年)、仮名手本忠臣蔵の世界と結びつけた山東京伝の『忠臣水滸伝』が出て、曲亭馬琴は『水滸伝』の構成に学んで『南総里見八犬伝』を書いた。歌川国芳の武者絵の揃い物『通俗水滸伝豪傑百八人之一個』も評判を呼び、豪傑たちの姿は浮世絵を通じても親しまれた。近代の作家にとっても少年時代の愛読書で、芥川龍之介は随筆『愛読書の印象』で「西遊記」とともにその思い出を語り、自伝的な『大導寺信輔の半生』でも主人公の本への情熱の始まりに置いている。吉川英治は晩年に『新・水滸伝』(昭和33年〜)を連載し、作者の死によって未完に終わった。

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