バラッドとは

分類
形式・ジャンル
読み
ばらっど

英語圏などで伝承されてきた、物語を語る歌や詩。文学では、民衆の間で口承される伝承バラッドと、その形式や語り口を踏まえて詩人が作る文学的バラッドを区別する。恋愛の悲劇、英雄の行動、歴史上の出来事、超自然的な事件などを扱い、ある出来事の重要な場面を中心に、会話や反復を交えながら進むものが多い。英語の伝統的な形式では四行を一連とし、第二行と第四行で韻を踏む形がよく見られるが、すべての作品が同じ型に従うわけではない。作者の説明を長く加えるよりも、登場人物の言葉や行動によって事件を示す語り方に特色がある。近代の詩人もこの伝統を取り入れ、コールリッジの『老水夫の歌』やキーツの『つれなき美女』などの作品を生んだ。日本語では「バラード」と表記されることもあるが、現在の音楽でいうゆったりした歌曲や、中世フランスの定型詩バラードとは、指す範囲が同じではない。物語をもつ点では叙事詩と関わり、感情を歌う点では抒情詩とも接している。作品紹介でこの語に出会ったときは、単に静かな歌という意味ではなく、歌によって事件を伝える文学の形式を指しているかを確認したい。

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