社会主義とは

分類
その他
読み
しゃかいしゅぎ

生産手段の私有と自由競争が生む貧富の差を、社会全体の共同によって乗り越えようとする思想と運動。日本では明治30年代に本格的な運動が始まった。明治31年(1898年)に安部磯雄らが社会主義研究会をつくり、明治34年(1901年)5月には安部・片山潜・幸徳秋水・木下尚江・河上清・西川光二郎の6人が日本初の社会主義政党として社会民主党を結成したが、数日のうちに禁止された。日露戦争を前に、明治36年(1903年)、幸徳と堺利彦は平民社を興して週刊『平民新聞』を創刊し、非戦論を唱えた。翌年には同紙にマルクスとエンゲルスの『共産党宣言』を訳載して起訴されている。文学との結びつきも早く、児玉花外の『社会主義詩集』は明治36年に発売禁止となり、キリスト教社会主義の立場に立つ木下尚江は、非戦を説く社会主義者を主人公にした長編『火の柱』を明治37年(1904年)に『毎日新聞』へ連載した。明治39年(1906年)には日本最初の合法的な社会主義政党として日本社会党が結成されたが翌年禁止され、運動は議会政策派と直接行動派に分かれていく。大逆事件後のいわゆる「冬の時代」には、堺が文章の代筆や翻訳を請け負う売文社を開いて同志の生計を支えた。運動は大正期に再び息を吹き返し、のちのプロレタリア文学へとつながる。芥川龍之介の掌編『或社会主義者』は、若き日の理想を手放していく一人の男の半生を、皮肉をこめて描いている。

関連する用語

この用語に関わる作品

この用語に関わる作家