換喩・提喩とは

分類
文体・技法
読み
かんゆ・ていゆ

比喩のうち、似ていることによらず、物事どうしの結びつきや、概念の大小の関係を利用して、ある物事を別の言葉で表す技法。換喩(メトニミー)は、隣り合っているものや関係の深いもので、その物事を表す。「鍋が煮える」は鍋の中身を、「漱石を読む」は漱石の作品を、「永田町」は日本の政界を指す。容器で中身を、作者で作品を、場所で機関を、身につけたもので人を表すのが典型で、童話の主人公「赤ずきん」の呼び名にもこの働きがある。提喩(シネクドキ)は、上位の概念と下位の概念の関係で言い換える技法で、「花見」の「花」が桜を、「ご飯にしよう」の「ご飯」が食事全体を、「人はパンのみにて生くるにあらず」の「パン」が食べ物全体を指すのがその例である。全体と部分の関係を提喩に含める考え方や、提喩を換喩の一種とみる考え方もあり、分け方は論者によって異なる。隠喩・直喩が二つのものの「似ているところ」を見つけて結ぶのに対し、換喩・提喩は現実のなかですでに結びついているものを手がかりにするため、言い換えられたことに気づかれないほど日常の言葉に溶けこんでいることが多い。文学では、人物を服装や持ち物の一部で呼ぶことで、その人の印象を際立たせる描写などに生かされる。

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