直喩とは
- 分類
- 文体・技法
- 読み
- ちょくゆ
ある物事を別の物事にたとえる際に、「ようだ」「ごとし」「似たり」などの言葉を用い、比較していることを明示する表現技法。明喩ともいう。たとえば、解説のための例として「湖は鏡のようだ」といえば、湖と鏡を区別したまま、平らさや光を映す性質などを重ね合わせている。一方、「湖は鏡だ」と言い切って表すなら隠喩となる。文学では、見慣れた対象を新しい角度から感じさせたり、目に見えない気持ちを具体的な姿で伝えたりするために用いられる。『平家物語』冒頭にある、驕る者も長くは続かず春の夜の夢のようだとする表現は、その一例である。たとえる対象の選び方によって、雄大さ、はかなさ、恐ろしさ、滑稽さなど、読み手が受ける印象は変わる。ただし、「ようだ」という形があればすべて直喩というわけではない。「雨が降ったようだ」のように状況を推測する場合などもあるため、何と何を比較しているかを確かめる必要がある。直喩は詩歌だけでなく、小説の情景描写や人物描写にも広く使われる。共通点が説明されている場合と、読者に委ねられている場合を見分けると、比喩がどのように働いているかが分かりやすい。