第二芸術論とは

分類
その他
読み
だいにげいじゅつろん

昭和21年(1946年)、フランス文学者の桑原武夫が雑誌『世界』11月号に発表した評論「第二芸術――現代俳句について」に由来する、俳句に対する批判の総称。桑原は、現代の著名な俳人や無名の人の俳句を、作者名を伏せて読ませる実験をしたところ、俳句の良し悪しが識別しにくかったことなどを挙げ、作品だけでは作者の力量がわからず、結社の権威や作者の名前によって評価が決まっている点を問題にした。そのうえで、俳句は近代的な芸術としての条件を満たさず、小説や詩などの「第一芸術」に対して、せいぜい「第二芸術」として区別すべきだと断じ、老人や病人の余技にふさわしい慰みだとまで述べた。この主張は、戦争に協力した俳壇への反省の気運とも重なって大きな衝撃を与え、山口誓子・中村草田男らの俳人が反論し、俳句とは何か、近代の芸術としてどうあるべきかという議論を呼んだ。短歌に対しても、同じ年に臼井吉見が「短歌への訣別」を、小田切秀雄が「歌の条件」を書き、のちに詩人の小野十三郎が「奴隷の韻律」で短歌的な抒情を批判するなど、同様の批判が相次いだ。これらは短詩型文学の否定論として受け止められたが、反論や自己反省を通じて、社会性俳句や前衛短歌など、戦後の俳句・短歌のあり方を見つめ直すきっかけとなった。

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