報知新聞とは

分類
結社・団体
読み
ほうちしんぶん

明治5年(1872年)、前島密らが創刊した『郵便報知新聞』を前身とする新聞。明治14年(1881年)に矢野龍渓が社を買い取り、大隈重信の立憲改進党の機関紙として政論で知られた。明治27年(1894年)、三木善八が社主となって『報知新聞』と改題し、明治末から大正にかけては東京で最もよく売れた新聞の一つとなる。小説の連載にも力を入れ、明治36年(1903年)には村井弦斎が一年にわたって『食道楽』を連載した。大食家の青年の恋の物語に六百種を超える家庭料理の作り方を織り込んだこの小説は、実用書としても広く読まれて「食道楽」という言葉を広めている。大正・昭和の大衆文学の書き手も紙面を飾り、吉川英治は昭和2年(1927年)から伝奇長編『江戸三国志』を連載した。昭和5年(1930年)に講談社の野間清治が経営を引き受けた時期には、江戸川乱歩が明智小五郎の活躍する長編『吸血鬼』(昭和5年〜6年)を連載している。関東大震災後は東京朝日・東京日日に押されて部数を減らし、昭和17年(1942年)、戦時の新聞統合で読売新聞に合併されて『讀賣報知』となった。戦後に題号を取り戻したのち、昭和24年(1949年)末から読売系のスポーツ新聞として再出発し、乱歩の短編『断崖』(昭和25年)はその紙上に載った。なお、ドストエフスキーの『罪と罰』の初出として知られる『ロシア報知』はロシアの雑誌で、この新聞とは関係がない。

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