種蒔く人とは
- 分類
- 結社・団体
- 読み
- たねまくひと
大正10年(1921年)2月、秋田県の土崎で小牧近江・金子洋文・今野賢三らが創刊した文学・思想雑誌で、プロレタリア文学運動の出発点とされる。フランスに学んだ小牧が、アンリ・バルビュスの反戦運動クラルテに触れて帰国したことが母体となった。土崎版は三冊で終わったが、同年10月から東京版として再出発し、反軍国主義とロシア革命の擁護を掲げる共同戦線的な雑誌となる。柳瀬正夢・佐々木孝丸らが加わり、のちに平林初之輔・青野季吉が論陣を張ってからは、階級運動の一翼としての文学をはっきりと主張するようになった。官憲による発売禁止をたびたび受けながら二十一冊を重ねたが、大正12年(1923年)の関東大震災による混乱のなかで廃刊した。葉山嘉樹や小林多喜二がのちに活躍する舞台は、この小さな雑誌が切りひらいたものである。翌大正13年、同人たちは「文芸戦線」を創刊してその志を継ぎ、やがて「戦旗」と並ぶプロレタリア文学の二大潮流へと発展していく。