和泉式部日記とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- いずみしきぶにっき
平安時代中期、和泉式部と敦道親王との恋を、百四十首余りの和歌のやり取りを軸に語る日記風の作品。長保5年(1003年)4月、亡き為尊親王を偲んで暮らす女のもとへ、その弟・敦道親王から橘の花が届けられる。女が「薫る香によそふるよりはほととぎす聞かばや同じ声やしたると」と歌を返し、親王が「同じ枝に鳴きつつをりしほととぎす声は変はらぬものと知らずや」と応えたところから二人の贈答が始まり、やがて女は親王の邸に迎えられ、周囲の目や北の方との確執に悩みつつ、翌年正月までが綴られる。全体が女を「女」と呼ぶ三人称で書かれているため、作者が自分自身を語ったのか、別人の手によるのかについては議論があり、『和泉式部物語』という題でも伝わる。恋の喜びと不安を、ありのままの感情の揺れとして和歌に託す姿勢は、和泉式部の歌人としての魅力をよく伝えている。