梁塵秘抄とは
- 分類
- 形式・ジャンル
- 読み
- りょうじんひしょう
平安時代末期に後白河法皇が編んだ今様の歌謡集。今様は当時流行した新しい歌謡で、貴族だけでなく遊女や傀儡子といった芸能者たちも担い手だった。後白河法皇は若いころから今様を愛し、喉を何度もつぶすほど歌い込んだという。その歌詞を集めた『梁塵秘抄』十巻と、歌い方や伝承の由来を記した『梁塵秘抄口伝集』十巻をまとめ、あわせて二十巻であったとされるが、現在伝わるのは、歌詞集の巻一の断簡と巻二、口伝集の巻一の断簡と巻十だけである。口伝集巻十には、法皇が今様に打ち込んだ半生と、師と仰いだ老いた遊女・乙前のことがつづられ、治承3年(1179年)ごろの成立とみられる。歌詞集の巻二は長く埋もれていたが、明治の末に見いだされて世に知られた。収められた歌には、仏の教えをうたう法文歌のほか、「遊びをせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけん」のように、子どもの遊びや人の世のはかなさを詠んだ歌、恋や暮らしの歌もある。題名の「梁塵」は、名人の歌声が梁の上の塵を動かしたという中国の故事に基づく。庶民の生きた声を伝える点で、当時の暮らしと信仰を知る貴重な資料である。