川端茅舎句集(川端茅舎)のあらすじ・登場人物
露の句で始まる三百句
- 文字数
- 4,629字
- 読了目安
- 約9分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
画家を志しながら病のため俳句に転じた川端茅舎の第一句集。露の句を巻頭におき、露や石、雲、鳶や蝸牛にまで生命を見出す句風で知られる。高浜虚子が序文に、病苦と闘いつつ訴えない真勇の人と記した。三百句に限った自選で、季節ごとに配列される。
あらすじ
虚子の序は、茅舎句集が出ると聞いて非常に嬉しく思ったと始まり、茅舎君は常に病苦と闘いながら少しもそれを人に訴えない人で、生きんとする一念の力が天柱地軸と共に命を支えていると述べる。雲や露や石などに生命を見出すだけでなく、鳶や蝸牛にまで人性を見出す、と評し、収められた句はみな、飛び散る露の真玉が相触れて鳴るような句だとたたえる。茅舎自身のあとがきによれば、句集の句は年代順ではなく四季に分類して並べ、関東大震災の秋から出発したため秋を巻頭に置き、句数は三百に限った。昭和9年9月に記された序とあとがきで、同年10月に刊行された。
冒頭部(原文より)
序 茅舎句集が出るといふ話をきいた時分に、私は非常に嬉しく思つた。親しい俳友の句集が出るといふ事は誰の句集であつても喜ばしいことに思へるのであるけれども、わけても茅舎句集の出るといふことを聞いた時は最も喜びを感じたのである。それはどうしてであるかといふ事は自分でもはつきり判らない。
「川端茅舎句集」川端茅舎(青空文庫)
末尾部(原文より)
さういふ十年一日のごとき此の期間の作品は種々な理由で年代の順に並べる事を好まなかつた。たゞ四季に分類した丈で、震災の秋より出発したゆゑ秋を巻頭に置いた。 句集の句数は三百に限つた。其れは其数を何となしに愛するからであつた。 今、虚子先生の序文を頂いて無上な幸福な感じがする。本当に少年のやうに幸福な感じがする。 昭和九年九月十二日朝 川端茅舎 (昭和九年十月刊)
「川端茅舎句集」川端茅舎(青空文庫)
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