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普羅句集(前田普羅)のあらすじ・登場人物

富山移住前後を分けた山国の句集

前田普羅 1930年(昭和5年)9月

文字数
7,459字
読了目安
約15分
表記
新字旧仮名

この作品について

前田普羅の第一句集。序に、富山移住の前と後で作者の俳句生活が分かれるとあり、上巻は横浜時代、下巻は富山移住後の句を収める。大自然に身を打ちつけて得たと自ら記す山国の句は、普羅が山岳俳句の人として知られるもとになった。

あらすじ

序で普羅は、この句集を開けば一句一句に自分の生活が見えるだろうと述べ、俳句生活を富山移住の前と後に分ける。移住前の句は上巻に、移住後の句は下巻に収めた。上巻には世路の術にも心の鍛錬にも幼かった自分の狂おしい姿があり、下巻にはただ静かに、心ゆくまま、降りかかる大自然の力に身を打ちつけて得た句があるという。下巻の末尾には富山市中の句として、「土ながら大根つまれぬ雪や来ん」「冬枯や水の溜りし寺の庭」、新年の「雪の戸にいつまで寝るや御元日」「人の日や読みつぐグリム物語」など、雪国の暮らしを詠んだ句が並び、昭和5年9月刊として閉じられる。

冒頭部(原文より)

序  説明するまでもなく、此の句集を繙かれる時、一句一句に就て私の生活が見出される事であらう。  今日までの私の俳句生活は二つに分たれる、富山移住前と富山移住後とに。富山移住前の生活は横浜に於ける生活である。何故に其れを横浜時代と云はないか。私の俳句生活その他にも重大なる転機を与へた富山移住を記念するために、しばらく横浜時代の文字を割愛し、心に秘めて愛して居ようと思ふから。

「普羅句集」前田普羅(青空文庫)

末尾部(原文より)

新年 雪の戸にいつまで寝るや御元日 人を待つ うしろより初雪ふれり夜の町 天暗く七種粥の煮ゆるなり 人の日や読みつぐグリム物語 雪掻けば直ちに見ゆる礼者かな (昭和五年九月刊)

「普羅句集」前田普羅(青空文庫)

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