障子のある家(尾形亀之助)のあらすじ・登場人物
子に残すために編んだ詩集
- 文字数
- 13,743字
- 読了目安
- 約27分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
尾形亀之助の詩集。最近二年間の作品に加筆してまとめたもので、自序では、作品として読んでもらうためではなく、二人の子に父のことを伝え、友人たちに詫びるためだと記す。表紙を緑色のつや紙とするなど、装幀への思いも述べられる。私的な記録としての詩集という性格が強い。
あらすじ
巻頭の一句「あるひは(つまづく石でもあれば私はそこでころびたい)」に続く自序は、「何らの自己の、地上の権利を持たぬ私は第一に全くの住所不定へ。それからその次へ。」と始まる。この二年間の作品に加筆して改題もしてまとめたのは、作品として読んでもらうためではなく、二人の子が「君の父は」と問われたときの参考として、そして父と母へ、友人へ、しようのない奴だと思ってしまってもらうためだと語る。以下、「三月の日」などの散文詩的な小品が続く。昼ごろ寝床を出ると、空のいつもの…という日常の観察が淡々と綴られ、終わり近くには、家族に宛てたような詫びの言葉が置かれる。
冒頭部(原文より)
あるひは(つまづく石でもあれば私はそこでころびたい) 自序 何らの自己の、地上の権利を持たぬ私は第一に全くの住所不定へ。 それからその次へ。 私がこゝに最近二ヶ年間の作品を随処に加筆し又二三は改題をしたりしてまとめたのは、作品として読んでもらうためにではない。
「障子のある家」尾形亀之助(青空文庫)
末尾部(原文より)
そのことを私は偉くなると言葉であなたに言つて来たのですが、私はそれらのことを三四年前から考へないやうになり最近は完全に捨てゝしまひました。 私の言葉をそのまゝでないまでもいくらかはさうなるのかも知れないと思はせたことは詫びて許していたゞかなければなりません。
「障子のある家」尾形亀之助(青空文庫)
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