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自分は見た(千家元麿)のあらすじ・登場人物

白樺派の人道的な第一詩集

千家元麿 1918年(大正7年)

文字数
46,447字
読了目安
約1時間33分
表記
旧字旧仮名

この作品について

千家元麿の第1詩集。1918年(大正7年)、玄文社から刊行された。武者小路実篤の序文、岸田劉生の装幀を得て、白樺派に近い人道主義的な詩人の出発を示した。自序では、1900年の冬から現在まで書いたものを全部集めた、亡き父に捧げると述べる。日常のささやかな光景を、衒いのない口語で歌う。

あらすじ

巻頭に「此の初めての詩集を亡き父上に捧ぐ」とあり、自序は1918年3月26日夜の日付をもつ。武者小路実篤の序文と岸田劉生の装幀への感謝が述べられる。最初の詩「車の音」は、夜中の二時ごろから、巣鴨の大通りを田舎から百姓の車がカラカラと小さな乾いた木の音を立てて無数にやってくる様子を歌い、人声は一つもなく、飾り気のない元気な単調な車輪の音ばかりが天から繰り出してくるようだという。ほかにも日常の風景や家族、自然を見つめる詩が多く、巻末の「(一九一八、三)」と記された詩は、春の絶頂に達した一日の終わりに、すべてが音もなく燃えながら動けなくなっている光景を歌う。

冒頭部(原文より)

   此の初めての詩集を     亡き父上に捧ぐ元麿 自序  この詩集は自分の初めての本だ。こゝに集めた詩は一九〇〇年の冬から今迄に書いたものを全部集めた。それ以前のものははぶいた。  武者小路實篤兄から序文を、岸田劉生兄から裝幀を頂いた事を深く感謝する。自分はこの詩集に誇りをもつ事を禁じ得無いでゐる。自分はこの初めての詩集を亡き父上に捧げる。

「自分は見た」千家元麿(青空文庫)

末尾部(原文より)

眞白くなつて もう三分この緊張がつゞいたら 世界は如何なつて終ふかと思ふ樣に 皆んなが倒れん許りになつて さかんに春の絶頂に達した一日の終りに しんとして支へ合つてゐる 音も無く燃え乍ら動けなくなつてゐる。 (一九一八、三)

「自分は見た」千家元麿(青空文庫)

原文を読む

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