河口慧海の名文

河口慧海の作品から、よく知られた一節を集めました。

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チベット旅行記

チベットは厳重なる鎖国なり。世人呼んで世界の秘密国と言う。その果たして然るや否やは容易に断ずるを得ざるも、天然の嶮によりて世界と隔絶し、別に一乾坤をなして自ら仏陀の国土、観音の浄土と誇称せるごとき、見るべきの異彩あり。

河口慧海『チベット旅行記』(1904年刊)の序の書き出し。鎖国していたチベットに日本人として初めて入った僧が、その国を「世界の秘密国」と紹介する。仏典を求めてヒマラヤを越えた旅の記録の序にふさわしい、格調ある文語である。

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